フィジー

1日5食、紅茶に砂糖5杯!?肥満大国フィジーの医療と健康への意識

日本は世界一の長寿国と言われます。将来の長生きリスクに備えて、若いうちから健康に気を使っている人も多いでしょう。

一方、平均寿命70歳、南の島の肥満大国フィジーでは、日本では考えられないほど医療や健康に関する意識が低いのが実態。今回は、青年海外協力隊員としてフィジーに派遣されている、理学療法士の三田村 徳(みたむら あきら)さんに、医療従事者から見たフィジー人の実生活をお話いただきました。

フィジーは糖尿病による死亡率 世界一の国

フィジーの医療について話す三田村さん

三田村「実は、いまフィジーの8割の人たちがNCD(Non-Communicable-Diseases/非感染性疾患)で亡くなっています。NCDは日本でいうところの生活習慣病。特に多いのが糖尿病で、先日フィジーは糖尿病による死亡率で世界1位になりました。まあ、7人制ラグビーも世界一で、糖尿病も世界一だってゲラゲラ笑ってたりするんですけど……(笑)」
(以下、カッコ内はすべて三田村さん談)

笑い事じゃないのに……なんでも楽しむのは、おおらかなフィジー人らしいです。

糖尿病で足を切断?

フィジー国立リハビリテーション病院
海外諸国から寄付された車イスはフィジー国立リハビリテーション病院に集まります

実は、糖尿病の合併症により、足を失ってしまう人は珍しくありません。

2016年度のフィジー国内での切断事例は791件

三田村さんが派遣されている国立リハビリテーション病院でも、週に3回外来受付がありますが、いつも多くの人でいっぱいになるそうです。

南国フィジーでは、裸足やビーチサンダル等での生活の中により足に傷を負いやすく、そこから感染して下肢切断に至ってしまうケースが多いのだとか。

もともと、フィジーは日本と比べて衛生的な環境が整っていません。感染症は人ごとではなく、健康な方でも十分な注意が必要です。日本からフィジーに行く際、滞在中は手足をよく洗う、ウェットティッシュを持ち歩くなど、衛生管理にいつも以上に気をつけましょう。

フィジー人の驚きの食生活


フィジーの糖尿病のほとんどは、食べ過ぎや糖分の取りすぎからくる『2型糖尿病』。実際に現地に行ってみると、どっしりした超ビッグサイズの人は多いし、本当にみんなよく食べる。また少しの距離でもタクシーに乗ってしまうなど、普段からあまり運動していないのがよくわかります。

「フィジーは元々イギリス保護領ということもあり、午前10時頃にモーニングティー、午後3時頃にアフタヌーンティーの時間をとります。紅茶などに砂糖やミルクをたっぷり入れて飲むのが大好きで、1杯のお茶に使用する砂糖の量は平均小さじ5杯(25g)。さらにティータイムにはサンドイッチやフルーツも食べるので、1日5食を大量に食べている方が多いのです

さらに三田村さんは、「この生活習慣によって血糖値が高くなることは言うまでもなく、糖尿病患者4人に3人は未診断、糖尿病と診断されたとしても、普段の生活を変えないので症状が改善されることは少ない」と語ります。

フィジーの保健省でも、NCD対策活動として運動促進プロジェクトなどを進めているようですが、地域の人に浸透させるのはまだまだ時間がかかりそう。う〜ん……難しい問題です。

脳卒中で倒れたのに、「呪いにかけられた」と噂が流れる

フィジー
糖尿病はさまざまな合併症を引き起こす危険性があり、最悪の場合死に至る「脳梗塞」になるリスクも高まります。

日本では脳卒中などによる麻痺患者さんのリハビリを専門的に行なっていたという三田村さん。フィジーでも運動麻痺になる人は多くいるようですが、地域巡回などで診察してきたフィジー人に対し、次のように語ります。

「運動麻痺になってしまったとき、身体機能回復には早期トレーニング、歩行、日常機能訓練などで1日2時間~3時間は必要になります。しかし、患者さんもそのご家族も、全くと言っていいほど、医療や健康に関する知識がありません。麻痺患者さんは自宅で何もしていないため、身体機能が改善していくことがほとんどないのです。しかし、本人は不自由であることを気にしていないようにも見え、どんな状況下でも幸せに暮らすというフィジー人の気質を強く感じます」

さらに、「医療に関する知識のなさからか、誰かが脳卒中で倒れても、『これはあの人を恨む人からの呪いだ』などと、非科学的なものを本気で信じている人も多くいるんです」とも。

フィジーでは、先進国のように重い病気から生還するなどといった奇跡はほとんど起こりません。

治る可能性がないから、病気になったら受け入れるしかない。すべては神のみこころのままに、と、フィジー人はある意味いさぎよく、与えられた環境でのんびり暮らしていくのです。

日本の常識から見るとめちゃくちゃなことばかりだけど、好きなものを好きなだけ食べて、気ままに暮らしているフィジー人をうらやましく思ってしまうのは、わたしだけでしょうか。

医療は無料。知識や技術に課題は多い

フィジーは医療の無償化に取り組んでいる国でもあります。公立病院の受診料はすべて無料。しかし、ここにも問題点があると三田村さんは言います。

「無料で診察、治療が受けられるのは一見素晴らしいことのように思えます。しかし、保健省や各病院の資金が少ないため、人も雇えず、設備も整えられず、患者さんに対して適切な治療ができずと悪循環になっているように感じています。なので、公立病院の治療はかなりテキトーな部分も……」

病院側もテキトーなら、患者さんもテキトーで、診察の予約をしていてもその日の天候や気分次第で来ないこともしばしばあるのだとか。取材当日も雨が降っており、18名の外来予約があったそうですが、実際に来ていたのは5名でした(笑)。

しかし、普段の生活ならテキトーでも許されますが、そうはいかないのが医療の世界。例えば、筆者の知り合いのフィジー人には、お母さんを医療ミスで亡くした人がいます。まだ40代だったそうです。日本だったら大問題ですよね。

また実際に、大きなケガや病気などで難しい手術が必要とされるケースでは、近隣の先進国であるオーストラリアやニュージーランドへ患者さんを搬送することも多くあります。

知識や技術レベルの問題ももちろんありますが、多くの優秀な若者が医者を志すような社会を作ることも、フィジーにとって大きな課題かもしれません。

CHECK!

  • 食べ過ぎによる糖尿病が社会問題に
  • 糖尿病によって足を失ってしまう人も
  • 1日5食、紅茶には砂糖5杯
  • 誰かが倒れたら「呪いにかけられた」と噂に
  • 雨が降ったら病院に患者さんが全然来ない

発展途上国のフィジーでは、医療や、国民の健康への意識がまだまだ低いのが現状です。

三田村さんは、「課題は多いけれど、理学療法士としての普段の活動やワークショップ、イベントの参加などを通じて、フィジーの人々に運動療法の大切さや正しいリハビリの知識などをこれからも伝えていきたい」と話します。

近年では、マラソン大会やスポーツイベントなど、フィジー各地で多くの運動啓発活動が行われています。少しずつ人々の意識も変わってきているように感じるので、これからもフィジーの予防医療や理学療法の発展に期待したいですね!

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