フィジーは多民族国家
フィジーには、大きく分けて、フィジーの原住民の祖先をもつ国民と、インドからの移民を祖先にもつインド系フィジー人がいます。
フィジーの人口は約90万人。内訳は、フィジー系が約57%、インド系の国民が約38%です。またその他に、ヨーロッパや南太平洋各国、中国などからの移民もいます。
このように聞くと、「なんで南国のフィジーにインド人?」と思う人も多いでしょう。
インド人が初めてフィジーに来たのは19世紀のイギリス植民地時代。サトウキビのプランテーションを拡大させようとした英国人が、期間労働者としてインド人を入植させていったことがきっかけです。
一説には、フィジー人があまりにもおおらかすぎて働かず、農業労働者として不向きなため(笑)、同じイギリス領で非常に働き者であったインドから人を連れてきたとも言われていたり……。
ともあれ、勤勉なインド人は与えられた環境で一生懸命に生き、街を作り、どんどん人口比率を高め、今ではフィジー経済を担う重要な存在にまでなっているのです。
公用語は英語。フィジーの主な言語は?
そんな多民族国家のフィジーでは、公用語として英語が使われており、フィジー国民の9割以上が英語を話します。
小学校の授業から全て英語で進められるため、子供の頃からみんなバイリンガルとして育てられているのですね。国民総バイリンガル!すごい!
基本的な発音はブリティッシュ・アクセント。島人だからか、話すスピードは比較的ゆっくりです。
また、フィジー人はフィジー語、インド人はヒンディー語をそれぞれ母国語として持っています。
フィジー語は日本語と同じ「a,e,i,o,u」の母音で発音し、単語なども基本的にはローマ字読みです(一部独自ルールはありますが)。
発音が日本語に近いということもあり、フィジーなまりの英語は日本人にとって聞き取りやすいと言えるでしょう。
ヒンディー語の発音はやや複雑で、日本語にはない音も多くあります。そのためか、インド人が話す英語は「R」の発音が強く独特な感じがします。
フィジーの英語はなまってる?フィジー英語とネイティブを比べてみた
フィジーにある宗教は主に3つ
フィジーの宗教で代表的なのは「キリスト教」「ヒンドゥー教」「イスラム教」の3つ。
全人口の宗教分布は次の通りです。
ヒンドゥー教:38.2%
イスラム教:7.8%
多宗教の国のため、それぞれの宗教にちなんだ祝日なども設定されています。
フィジー人
フィジー人の大半は熱心なキリスト教。プロテスタントのメソジスト派が最も多く、街のいたるところで協会が多く見られます。
日曜日には家族そろって教会へ行くことも多いですが、一般の人でも参加できるので、知り合いを作って一緒に参加させてもらうのもいいかもしれません。
インド人
インド系の人々は主にヒンドゥー教、イスラム教に分かれます。
例えばヒンドゥー教では牛肉、豚肉は食べない、イスラム教は豚肉は食べず、アルコールも飲まないなど、ぞれぞれに戒律があります。
家族によって徹底しているところもあれば、ゆるめなところも。
ラマダン(年に一度あるイスラム教の断食の習慣)明けには、フィジー人でもインド式の服を着てお祝いするなど、民族や宗教にもおおらかな国民がとても多いです。
普段宗教について考える機会がないという人は多いと思うので、フィジー長期滞在を予定しているなら、あらかじめ宗教についての知識をつけておくと良いでしょう。得られるものがより多くなります。
違いを受け入れるおおらかな国民
フィジーの人たちは、異なる人種や宗教の違いをしなやかに受け入れ、しっかりと共存しています。
単一民族で国民のほとんどが日本人という環境に長くいると、ひとつの国に色々な人種がいることで刺激を受けることは本当に多いです。
また、改めて日本人としてのアイデンティティを感じる良い機会になるかもしれません。
フィジーに行くときには、ぜひいろいろな文化や国民性に触れてみてくださいね。