地球温暖化対策について協議が行われる国連気候変動会議「COP23」が2017年11月6日から開催されます。世界190以上の国や地域が参加する今回の会議では、フィジーが初のホスト国として選出されています。
地球温暖化による海面上昇は、国がなくなってしまうかもしれないという危険性をもつ、太平洋島嶼国にとって非常に深刻な課題です。国際的な交渉の舞台でどのような取り決めが行われるのか、注目が集まります。
国連気候変動会議とは
国連気候変動会議は、気候変動への国際的な取り組みとして、温室効果ガスの排出量の制限など、各国の取り組みや国際的な条約の取り決めなどを話し合う場として設けられています。
2015年のCOP21では、2020年以降の国際的な地球温暖化対策の指針、通称「パリ協定」が採択されました。採択の後、この「パリ協定」は驚くべき速さで各国から同意を受け、昨年11月に国際法として発効されました。
そして、2018年までには、この「パリ協定」を実施していくための詳細なルールを作っていかなければならないとされており、今回の「COP23」、そして来年行われる「COP24」での主な議題となっています。
京都議定書とパリ協定
地球温暖化の問題への取り組みは、以前から行われていました。
初めての国際的な条約としては、1992年の「地球サミット」で採択された「気候変動枠組み条約」が挙げられます。しかし、この条約には加盟国への義務はなく、あくまでも努力目標だったために、あまり効力が発揮されませんでした。
そこで、1997年に京都で開かれた「COP3」で決めたのが「京都議定書」です。
「京都議定書」では、加盟している先進国に温室効果ガス排出の削減義務が課せられました。
ところが、その後の発展途上国の経済成長によって、なんと途上国は先進国を上回るほどの温室効果ガスを排出量するまでになっていきます。
それを受け、2015年に採択された「パリ協定」では、先進国だけでなく、全ての国が温室効果ガス削減に取り組むこととされています。そして、各国は削減目標と取り組みの状況報告を5年ごとに国連に提出しなければなりません。
国連気候変動フィジー会議 日程・開催場所
今回の国連気候変動会議は、日本時間の2017年11月6日(月)夜に開会し、2017年11月17日(金)までの12日間の日程で行われます。
本会議の会場について、残念ながらフィジーに大きな国際会議場がないため、ドイツのボンでの開催となります。