「世界一の幸せを日常に」Fizプロジェクト発起人 吉田菜乃さんインタビュー

2020年9月、新型コロナウイルス感染拡大による深刻な経済ダメージからフィジーを救おうとクラウドファンディングを立ち上げ、話題となっているプロジェクトがあります。その名も「Fiz(フィズ)」プロジェクト。発起人である吉田菜乃さんは、都立高校に通う現役の女子高生です。日本の高校生がなぜフィジーのプロジェクトを始めたのか、今回は、菜乃さんにプロジェクトの背景や、ご自身のこれまでの歩みなどお話を伺いました。

Fizプロジェクトとは


Fizプロジェクトは、フィジー国内でウェディングやイベントなどがなくなり、収入が激減している現地のテイラー(仕立屋)さんを応援するために、そしてフィジーの文化を日本に広めるために始まったプロジェクトです。2020年9月、フィジーのタパ柄のグッズやセミオーダーメイドのブラシャツなどをリターンとして、クラウドファンディングで支援を募っています。現在、第一目標金額を達成、本格的な事業化に向け、第二目標に挑戦中です。

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「世界で一番の幸せ」を届けたい

吉田菜乃さん

— Fizプロジェクトを発足した理由を教えてください。

菜乃
大きく2点ありまして、まず最初は、コロナで職を失ってしまった現地の人たちに安定した雇用を作りたいという想いです。今後クラウドファンディングを成功させて事業化して、フィジーの人が安定した職を得られることを大きな目標にしています。

もうひとつは、フィジーは日本と対極的な部分が多くあり、とても面白い国なので、Fizのタパ柄の商品を通してフィジーについてもっと知ってくれたり好きになってくれる人を増やしたいという想いがあります。

タパ柄の生地

— 素敵なビジョンですね。プロジェクトページにある【世界で一番の幸せをあなたに】というフレーズが目を引いたのですが、この言葉の意味するところは?

菜乃
「幸せ」っていうと、裕福な人だったり、平和に過ごせている人などのイメージがあると思うんですけど、私たちが定義する幸せは、“精神的な”幸せとしています。

— 精神的な幸せというと?

菜乃
精神的な幸せは、余裕を感じられる時に実感できるものだと考えていて、いわば「スキマ」です。時間の隙間だったり、物事を考えられる心の隙間だったり、人を思いやれる隙間だったり。フィジーを初めて知ったとき、日本人が持ってない「スキマ」を持っている国民が多いと私は感じました。

いつも笑顔のフィジー人たち

— 確かに、なかなか時間や心の余裕を持てない人って多いですよね。

菜乃
2020年の「世界幸福度ランキング」で、日本は156カ国中62位(フィジーは調査対象外)、先進国の割にはものすごく低いんです。日本は健康寿命や社会的余裕は高いものの、「寛容さ」や「自由度」という面で低い評価を受けています。まさに、寛容さや自由度というものこそ、精神的な余裕がないとなかなか得られないものですよね。

一方フィジーは、幸福度調査で何度も世界一になっている国でもあり、いまコロナウイルス感染拡大の影響で労働人口の4分の1が職を失うほど大打撃を受けているのに、みんな笑顔で頑張っていて、ものすごくポジティブだなって。

— フィジー人のことを知ることで、こういう人たちがいる、こういう考え方もある、と気づけたら、自分の考え方にも良い影響があるかもしれませんね。

菜乃
はい。フィジーの人たちに触れ合うことで、いかに自分たちが平和で安全で裕福な国にいて、なのになぜこんな小さいことばかり気にしているんだろう、そう感じる人が増えたらいいなって思います。

挫折・逆境を乗り越え「起業家育成ゼミ」へ

— 少し菜乃さん自身のお話も聞かせてください。いま高校2年生ということで少し驚いたのですが、菜乃さんは昔から起業や社会問題に興味を持っていたのですか?

菜乃
興味を持つようになったのは、中学1年生の頃です。公立の中高一貫校に受験して入学したのですが、入学当初、小学校の時とのギャップがすごくあり学校に馴染めず、これまでの人生で一番の大きな挫折を味わいました。でも、時間だけがたくさんあった分、いろいろできたんですよ。インターネットで、普通だったらあまり触れない世界のニュースや問題などを知ったり、日本の先進的な企業について書かれた記事を読んだりするうちに、起業や社会問題について興味を持つようになりました。

また、当時の担任だった先生にも本当にいろいろなことを教わりました。先生は、高等部の「起業家育成ゼミ」という活動を受け持っていて、私も高校に上がったら絶対入りたいと思うようになり、高一になったときに誰よりも早くエントリーしました。

— 高校で起業に関するゼミがあるのも珍しいですね。ゼミに入るのは難しい?

菜乃
10冊弱の課題図書があり、その中から解決したい課題や起業アイデアなどをレポートにまとめて提出するんです。先生が認めるまで再提出を続けなければならず、なおかつ先着なんですよ。

— 本格的な経営スクールみたいですね。

ビジネスプランコンテストで優勝。しかし……

菜乃
でもゼミに入ってからがまた大変で。みんなカタカナばかり使うんですね。

— スタートアップとかビジネスの世界は横文字が多いですよね。

菜乃
最初は本当になにもわからなくて。なおかつアイデアを出せと言われてもどうすれば良いかわからないし、プレゼンテーションだってほとんどしたことがない。このままじゃこのゼミに入っても意味がないと思ったので、とりあえず学校外でやっているイベント・講義に片っ端から参加しました。大手企業で働いている人に一日中付き添ってリアルな社会人を見て最後に発表するイベントとか、東京都が主催している高校生向けイベントとか。

その中のひとつで、外部の高校生とチームを組んでインバウンド向けの新ビジネスを考えようっていうイベントがあったんですけど、そこで優勝したんです。

— え、優勝!?すごい……。

菜乃
私たちのビジネスアイデアは、廃校を使って外国人観光客向けに日本の学校を体験できるサービスを提供するというものでした。そこでいけると思って、このアイデアを持って次は全国大会に応募しようという流れになり、日本政策金融公庫が主催している「高校生ビジネスプラン・グランプリ」に応募しました。そこでベスト100に入りまして。ベスト100に入った人たちを対象にした都大会が2020年の1月にあったのですが、そこでも優勝して東京都知事賞を頂いたんです。

— なんと!

菜乃
都大会に参加した時は、他の学校の生徒の皆さんも素晴らしいアイデアを持ってきていて、こんなにすごい高校生が世の中にはたくさんいるんだなあと感動しました。それと同時に自分達も負けたくない!と思い、全力でプレゼンに臨みました。結果優勝して、このアイデアは絶対実現してやるって思っていた矢先、コロナウイルスが来てしまって……そもそもインバウンドが厳しいので、残念ながら活動ができなくなってしまったんです。

— そんなことが……悔しいですね。

菜乃
はい、すごく悔しかったです。それで、これからどうしようというとき、高校の生物の先生と同級生で、現在フィジーで語学学校のお仕事をされている川上さんと出会いました。川上さんからフィジーの現状やフィジー人の魅力などお話を伺ううちに、Fizの活動をしたいと思うようになったんです。

— それでクラウドファンディングを立ち上げたんですね。活動しているメンバーは起業家育成ゼミの人が中心?

菜乃
はじめは、高校生は私だけで、あとは現地にいる方や社会人の方と一緒にやっていました。今はゼミの人にもマーケティングや広報などを手伝ってもらっています。

— そうなんですか。行動力とガッツが本当にすごい。菜乃さんのお話を聞いていくと、逆境に立たされた時にも「絶対に負けない」という気持ちでいつもまっすぐに行動できる方なんだなと感じます。その不屈の精神やエネルギーはどこから湧いてくるのでしょうか。

菜乃
う〜ん。小さい頃から持っていたと思います。私、絵を描くことがすごく好きなのですが、幼稚園に入る前ぐらいから、自分と同い年で絵が上手な子がいたら、自分はその人の百倍は描こうって思っていました。自分が一番上手くなりたくて、他の人に勝つには努力するしかないってその時から考えていましたね。それが今にも通じているのかなと。

— そんな幼少期から!

菜乃
あとは、中学・高校生活を送るなかで、たくさん挫折もしましたし、悔しい思いも経験して、他人に合わせるのが全てじゃないなって思ったんですよ。他人に合わせても理不尽なことをする人もいるし、だったら自分がいいと思ったものはちゃんと言う、相手の意見は否定するんじゃなくて、一度受け止めてできれば改善点まで考えられるようになりたいなって思って。

— 周りの雰囲気や相手の顔色を見るのではなく、信念を持って自分から動くことで欲しいものを掴み取ることを、実体験から学んでいった。すごいことです。

Fizの今後の目標・展望

— 最後に、Fizの今後の目標や展望について教えてください。

菜乃
まずは多くの人にFizの商品を使ってもらえることを目標にしています。街を歩いていたら、あれFizの商品じゃんってなったら嬉しいです。そのためにも安定した事業になって、現地の雇用を支え、日本とフィジーの新しい交流の橋になれればと思っています。

そして、それまでフィジーのことを名前しか知らなかったけれど、Fizを通じてフィジーの国民性や魅力、「世界一の幸せ」に触れて、自分の考え方にも良い影響を与えられる、そんな人が一人でも増えて欲しいです。

— ありがとうございました!

菜乃さんからは、いかなる状況においても、自分の力で道を切り拓いていく強さ、そして、どのような事柄に対しても自ら納得いくまで調べ、考え、自分の言葉にして相手に伝える高い思考力を感じました。代々受け継がれているフィジーの文化であるタパと、菜乃さんの強い想いが、どうか、よりたくさんの人に届きますように。今後もFizプロジェクトから目が離せません。

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